こんな美味しいものに、出会ってしまった…
FAR EAST BAZAARで生まれる数々の商品は、白砂糖を一切使わず、カンボジアの椰子の木から採れる花蜜糖で甘味を表現しています。
創業間もないころ、代表はカンボジアで出会ったこの素朴な甘味に魅了されました。以来、FAR EAST BAZAARの様々な商品に使われ、白砂糖では出せない味の深みや芳ばしさを表現してきた花蜜糖は、私たちになくてはならない大切な素材なのです。
カンボジアから届く、自然の甘み
カンボジアの首都プノンペン郊外。空高く生える椰子の木々は、カンボジアの美しい田園風景の象徴。
メコン川流域にクメール人が建国したこの美しい国は、1975年から1978年にかけて国民の1/4にも及ぶといわれる犠牲者を出すジェノサイドを経験した国でもあります。そこから立ち直り、近年社会が安定をしてからのカンボジアは成長も著しく若い世代の勤労意欲も高い、エネルギーに満ちた国なのです。
椰子の花蜜の採取は、1~5月の農閑期に行われます。
ロンダムレイ村では、農家の父さんが高さ20mにもなる木々に登り蜜を集めます。その方法はいたって原始的で、花の蕾にナイフで傷をつけ、そこから垂れてくる蜜を竹筒の中に集めます。蜜がたまった頃にまた木に登り、竹筒を持って降りてくる。これを一日に何回も繰り返すのです。
この花の蜜がいかに貴重なものであるか、容易に想像ができますね。
花の蜜が集まったら、農家の母さんたちの出番。
農家の庭先の小さな小屋で熱々の大鍋を焚き、2時間以上ものあいだ火加減を調整しながら花の蜜を煮詰めていきます。
蜜が煮詰まってきたら火から下して、木と網で作った手動の攪拌機を使い一気に混ぜていくとどんどん水分が飛んでペースト状になります。あとはひたすら手作業で鍋肌につけては落としながら混ぜていきます。これを一時間も繰り返すと、鍋の余熱でペーストだった花蜜は柔らかいパウダーへと変わっていくのです。
花蜜糖は、こうして丹念に丹念に手をかけて出来上がります。そのカラメルのように芳醇な味わいとやさしい甘さはジェラートの美味しさを引き立てます。